鉄遊館

東京メトロ-6000系

1968(昭和43)年に1次試作車が登場した、世界で初めて回生ブレーキ付き電機子チョッパ制御を採用した千代田線用の車両。路線の延伸と乗り入れ区間の拡大、列車本数の増加に伴って1990(平成2)年まで増備が続けられた。増備された時期が長いため、内外装ともにバリエーションに富んでいるが、貫通扉を片側に寄せた独特の前面形状は全車共通。この前面形状は、その後の各都市の地下鉄電車に影響を与えた。現在ではチョッパ装置の老朽化に伴う制御装置の更新が進んでいる。あまりにもバラエティーに富んでいるので、ここでは走行音に関係する点のみを解説する。

 

フロン沸騰冷却式チョッパ車走行音(三菱)(1.27MB)

収録区間:常磐緩行線 松戸→北松戸

フロン沸騰冷却式チョッパ車走行音(三菱・回生失効)(872KB)

収録区間:常磐緩行線 新松戸→馬橋

フロン沸騰冷却式チョッパ車走行音(日立)(1.24MB)

収録区間:常磐緩行線 南柏→北小金

制御方式:フロン沸騰冷却式電機子チョッパ制御

 

現在、最終増備車の第35編成を除く制御装置未更新車は全てこのタイプに属する。このタイプに該当するのは外観・車内が8000系と同形態となった車両である(第35編成は除く)。制御装置更新前は様々なタイプの方式が混在していたが、現在はその大部分が制御装置の更新で消滅してしまった。このタイプも少しづつ数を減らしている。チョッパ装置の製造は日立と三菱の2社が担当していて、両社間での音の差はない。第23、26、27、33編成が三菱製、第25、34編成が日立製である。モーター音は、三菱車は惰行時は国鉄形のような「ガー」という音になるが、日立車は静かになって継手の「ゴロゴロ」音が聞こえる。

 

GTOチョッパ車走行音(三菱)(1.15MB)

収録区間:常磐緩行線 亀有→金町

GTOチョッパ車走行音(日立その1)(2.21MB)

収録区間:常磐緩行線 金町→松戸

GTOチョッパ車走行音(日立その2)(1.22MB)

収録区間:常磐緩行線 南柏→北小金

制御方式:GTOチョッパ制御

 

最終増備車の第35編成の登場と同時期にチョッパ装置が更新された第3、5、6、7、10、11、12、13、15編成がこのタイプに属する。01~05系の初期車にも似たシステムのようで、音も起動時に音階のある音を立てるチョッパ音など、なんとなく似ている。フロン沸騰冷却式同様に三菱車と日立車でモーター音が異なる。

 

 

GTOチョッパ車走行音(第35編成・三菱)(1.52MB)

収録区間:常磐緩行線 北小金→南柏

制御方式:GTOチョッパ制御

 

最終増備車の第35編成が該当する。制御装置は上記のチョッパ装置更新車と同じもの(三菱製)を搭載する。主電動機は従来の6000系と異なり出力が155kWに強化されたものを搭載している。その関係からか、モーター音がかなり小さくなっている。起動時に音階を立てるチョッパ音は上記更新車と同じ。また、新製時からドア上の案内表示器を設置している関係でドアチャイムの音色が他車と異なっている。

 

VVVF車走行音(三菱3レベルIGBT)(全区間)(34.9MB*)

収録区間:常磐緩行線 柏→綾瀬

制御方式:VVVFインバータ制御(三菱3レベルIGBT)

 

チョッパ制御からVVVFインバータ制御に更新された編成のうち、第1、4、9、16、18、20、21編成がこのタイプに属する。歯車比は全くいじられずに、制御装置とモーターをVVVFインバータ制御に更新したため、0系シリーズとはかなり音の雰囲気が異なる。三菱製の制御装置を搭載しているにもかかわらず、「ヒュルヒュル」系の非同期音は全く聞こえず、やたら低いGTOのような音が特徴。

 

VVVF車走行音(日立3レベルIGBT)(全区間)(51.2MB*)

収録区間:常磐緩行線 取手→綾瀬

制御方式:VVVFインバータ制御(日立3レベルIGBT)

 

更新車のうち、第2、8、14、17、19編成がこのタイプに属する。更新の主な内容は三菱製搭載車と同じながら、日立製の制御装置を搭載したのがこのタイプ。非同期音は三菱のように変わった音ではなく、東武30000系やJRE653系などと同タイプの、標準的な音。

 

VVVF車走行音(三菱2レベルIGBT)(全区間)(50.9MB*)

収録区間:常磐緩行線 取手→綾瀬

制御方式:VVVFインバータ制御(三菱2レベルIGBT)

 

更新車のうち、側面窓が8000系タイプの大窓になった車両の中の第22、24、30、32編成が該当する。このグループからは、従来の更新内容に加え、M車を1両T車化してMT比が半々になるようにし、扉が窓の大きなものに取り替えられるなど、かなり大がかりな更新となっている。制御装置も新型の、純電気ブレーキ対応の2レベルIGBTのものとなった。走行音も、三菱製の制御装置を搭載した車両では非同期は変わった音ではなく標準的な音になり、モーター音も雰囲気が変わった。歯車比はいじられていないため、やはり0系シリーズとは音の雰囲気は異なる。

 

VVVF車走行音(日立2レベルIGBT)(1.09MB)

収録区間:常磐緩行線 馬橋→新松戸

制御方式:VVVFインバータ制御(日立2レベルIGBT)

 

更新車の大窓車のうち、第28、29、31編成がこのタイプに属する。更新内容は1つ上の三菱車と同じながら、日立製の制御装置を搭載したのがこのタイプ。走行音に関しては、非同期の音は東武50000系列などと同じタイプの音だが、停止直前の逆相モードの鳴り方が独特。モーター音は変調時の爆音が無い以外は三菱車と同じ雰囲気の音。

 


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